現在「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」では2020年の65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%で約602万人となっており、約6人に1人が認知症になっています。
もし、身近な人が認知症になった場合
知識がないとどういうものなの?と疑問に思うかと思います。
そこで今回はその認知症の特徴や主な症状について書いていきます。
アルツハイマー型認知症
明確な発症時期はなく、いつともなく物忘れが始まり、ゆっくり進行。
70歳以上の女性に多い。
症状
- 記憶障害(同じことを繰り返して言う、頼まれたことをすぐ忘れる)
- 実行機能障害(手順を踏んで一連の作業をすることができなくなる)
- 巣症状(失語、失読、失行など)
- 見当識障害(時間や場所の認識の低下)
- 人格の保持(アルツハイマー型認知症では比較的人格の水準が保たれる)
- 神経症状(筋緊張や筋強剛、歩行障害など)
血管性認知症
階段を下りていくように進行。よくなったり、悪くなったりする。
60~70歳の男性に多い。
症状
- 発作型(片麻痺や言語障害などの局所症状)
- 緩徐型(徐々に出現、慢性の循環器障害が起こる)
レビー小体型認知症
脳全体にレビー小体という異常な物質が沈着して起こる
病態の原因はよくわかっていない
比較的進行が速い
症状
- パーキンソン症状(身体全体の動きが悪くなる)
- 幻視体験(全く見知らぬ人が家の中を歩いているなどの現実的な幻視体験が繰り返して起こる)
前頭側頭型認知症
脳の前頭葉と側頭葉に限定して委縮していく
正確な罹患率は知られていないが初期のアルツハイマー型認知症数の約10分の1程度といわれています。
症状
- 初期は記憶低下や生活障害が軽い
- 人格変化(奇妙な行動を繰り返す)
- 進行すると言葉の意味が分からなくなったり、名詞が理解できなくなる
- 長期間にわたり持続し進行が進むと無言、無動、寝たきりになる
クロイツフェルト・ヤコブ病
急速に進行する認知症の原因疾患
50~60歳代に起こることが多い
初発症状から6~12カ月で死に至ります。
症状
- 筋固縮や運動麻痺
- 舞踏病様運動
- 興奮、幻覚、妄想、意識障害など
慢性硬膜下血腫
一番外側の硬膜の下に血腫ができる疾患
生命にかかわることは少ない
治る認知症の代表的な疾患
症状
- 頭痛や物忘れ
- 尿失禁や寝たきりを誘発しやすい
正常圧水頭症
歩行障害、排尿障害、認知障害が特徴
一番先に起こるのが歩行障害である
ここまで認知症の特徴や原因疾患について書いてきました。
もし身の回りの人が認知症になったとき他にどのような症状が出る可能性があるのかこの記事を参考にしてみて下さい。
また、認知症の症状を「困った症状、困った行動」と捉える前に、理解を深める為にも認知症の人自身の立場に立って考えてみて下さいね。